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  • 執筆者の写真LALA

グレインフリー(穀物不使用)フードが心臓病を引き起こす?!

更新日:2020年7月27日


愛犬の健康のために、とグレインフリー(穀物不使用)のドッグフード

を与えている飼い主さんは少なくないのではないでしょうか?

そんな飼い主さんにとっては

とてもショックなニュースが流れたのはご存知でしょうか?

FDA(アメリカ食品医薬品局)が

犬のグレインフリーフードとDCM(拡張型心筋症)には関連性があるとし

DCMを引き起こしたと思われるトップ16の商品ブランドを発表しました。

DCM(拡張型心筋症)は、筋肉が弱まり心臓が肥大し

その結果血液の循環がうまくできず

数ヶ月で死を引き起こす可能性のある恐ろしい心臓病です。

 

FDAによると

その原因はタンパク質を構成するアミノ酸の1種である

タウリンの欠乏ではないか、と言われています。

特に肉食動物である犬にとっては

十分なタンパク質の摂取が非常に重要になります。

血も肉も骨も内臓も、言って見れば全ての細胞に絶対必要不可欠な栄養素です。

タンパク質はアミノ酸で構成されていますが

このアミノ酸は

必須アミノ酸と

非必須アミノ酸に

分かれます。

非必須アミノ酸は体内で合成できますが

必須アミノ酸は体内で十分な量を作れないので

食べ物から摂取するしかないのです。

この必須アミノ酸(食べ物から摂る必要がある)は

犬には10種

猫には11種

あります。

この猫に多い1種

これがタウリンです。

 

100年ほど前に

便利で経済的で(飼い主にとって)

お金儲けになる(ペットフード産業にとって)

「ドッグフード」が主流になり始めました。

いわゆるカリカリのドライフードです。

あの小さい粒々の形を作るためには

『絶対に』スターチ(デンプン)が必要になります。

少ないものでも30%、多いものでは60%以上もの炭水化物が含まれています。

そして

70年代に入り

深刻な目や心臓の病気を発症する猫が増加してきたのです。

80年代の後半には

炭水化物の多いフードにタウリンが不足していることが原因である

ということが分かったのです。

タウリンは心臓や筋肉細胞の発達や機能

また目、脳、免疫機能などにも非常に重要な役割を担っています。

ということからも

80年代には

タウリンは猫にとっての11番目の必須アミノ酸となったのです。

 

あれ?

犬は体内で作れるんでしょ???

じゃ、ダイジョーブじゃん。

と思いますよね?

確かにそう考えられていて

タウリンは犬にとっては必須アミノ酸ではありませんでした。

ところが

近年になって

特にグレートデーン、ゴールデンレトリバー、ドーベルマン、

アイリッシュウルフハウンドなどの大型犬が

動物性タンパク質の少ない食事を与えられていると

十分なタウリンを生成できないことが分かったのですが

猫のように、心筋症などの心臓病を発症する犬が増えてきたのです。

食事にタウリンを加えると

心臓病が部分的に回復したことにより

FDAも『あ~やっぱりそうなのね!』と

「グレインフリーフードのタウリンの欠乏が原因である」

と発表したわけです。

実際には

大型犬以外の犬種でもDCMを発症する症例が多く報告されています。

DCMを引き起こした犬のなんと90%以上はグレインフリーのフードを食べていました。

またそのグレインフードの93%にはレンズ豆やえんどう豆などの豆類、マメ科植物、芋類が多く含まれていました。

引用元:

https://www.fda.gov/animal-veterinary/news-events/fda-investigation-potential-link-between-certain-diets-and-canine-dilated-cardiomyopathy

先ほども言ったように

あの粒々を作るためには『デンプン』が絶対必要ですが

グレインフリーの場合、米やコーンなどの穀物類は使えないので

豆類や芋類などを使っている場合がほとんどであること。

そして

豆類には植物性のタンパク質も豊富ですので

これで基準で定められている必要なタンパク源の一部(または大部分)を

補ってしまうことができるのです。

動物性のタンパク質を少量に減らせるので

材料費を安く済ませることができます。

ちなみに

植物性たんぱく質にはタウリンは含まれていません。

 

さて

ここで最初のFDAが発表した

DCMを引き起こした(であろう)トップ16のプランドに戻りましょう。

これ

個人的には結構なショックでした。

もう何年もドライフードは与えていませんが

以前に「良いフード」だと信じて愛犬に与えていたフードが

な、な、なんと...

第一位でした(涙)

引用元:

https://www.fda.gov/animal-veterinary/news-events/fda-investigation-potential-link-between-certain-diets-and-canine-dilated-cardiomyopathy

  1. Acana

  2. Zignature

  3. Taste of the Wild

  4. 4Health

  5. Earthborn Holistic

  6. Blue Buffalo

  7. Nature’s Domain

  8. Fromm

  9. Merrick

  10. California Natural

  11. Natural Balance

  12. Orijen

  13. Nature’s Variety

  14. MutriSource

  15. Nutro

  16. Rachael Ray Nutrish

 

ここでちょっと補足しておきたいのですが

実は、グレインフリーフードを食べていて

DCMを発症したワンコの全てがタウリン不足ではなかったということなんです。

他の栄養素と同様、タウリンも腸で吸収されますが

腸内細菌のバランスが崩れているとうまく吸収することができません。

不足はしていなかったのだけど

うまく吸収できていなかった

というケースもあったということです。

単純に

『グレインフードがDCMの原因だ』

だけが先走ってしまうと

「じゃ、穀物の入ってるフードの方がいいのね」

となってしまい、とても危険です。

本当に問題なのは

『植物性タンパク質で動物性タンパク質を補ってしまう』

ことです。

穀物やデンプン(炭水化物)は

腸疾患、慢性炎症い、肥満などの原因となります。

 

[タウリン欠乏を防ぐための4つのヒント]

1. 十分な動物性タンパク質を与える

2. 牛、羊、山羊などヒヅメのある動物はタウリンの量が少ないので

なるべく様々な種類の肉や内臓などバラエティに富んだものをあげる。

(できれば酵素やビタミンなどの栄養素が壊れていない生の状態が理想

3. ドッグフードの原材料をチェック!

ビタミン、ミネラル、アミノ酸など表記されている場合は

安価で低質のタンパク源を使っている可能性が高いのでなるべく避ける。

足している、ということはそれらを含んだ自然の食材が入っていない、ということ。

(自然の動植物からとる栄養素と研究室で作られた人工的な栄養素は同じではありません)

4. 豆類、イモ類が多く入っているフードは避ける。

もっとも手っ取り早く安価で動物性タンパク質に置き換える便利な方法です。

栄養素が足りていないだけではなく

そもそも犬はこれらを消化吸収しづらい体の仕組みになっています。

体に負担がかかり、体内で炎症を起こしやすくなります。

また、穀物類や豆類などには反栄養素という自分たちの身を守るための毒を持っていて

ミネラルなどの吸収を妨げてしまいます。

腸の細菌のバランスが崩れ免疫力も下がり、アレルギーから慢性疾患、癌まで

様々な症状や病気を引き起こします。

しかも、大抵すぐに症状が出るわけではなく

じわじわと体を蝕んでいくので

気がついた時には後悔しても遅い...

という、とても辛いケースが少なくないのが現状です。

 

いきなり大きく変えることは難しいかもしれません。

でも、何かは変えられるはずです。

普段のフードに新鮮なお肉やお野菜をちょっとだけ加えてみる、とか

(毎日が無理であれば週に1度でも2度でも)

市販のおやつを止めて、新鮮な野菜や果物を少量あげてみる、とか

もちろん、少しでも良いフードに変えれれば

それも素晴らしい選択だと思います。

彼らも私たちと同じ

YOU ARE WHAT YOU EAT

今日食べたものが5年後、1年後、明日の彼らの命を作っています。

そしてそれを伸ばすのも縮めるのも

私たち飼い主の手に委ねられています。

今できる最善を尽くしましょう!

だって

彼らの健康と幸せが

私たちの幸せなのですから^^


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